マーケット1分ニュース(2025-10-24)
総括
米国の株式市場ではハイテク株を中心に反発の動きが出ており、特に原油価格の上昇を受けてインフレ懸念が再燃し、債券利回りが上昇した。一方、円は対ドルで売られ、資源国通貨やドルが相対的に強さを見せている。ニュースのヘッドラインも対中・対ロの制裁・輸出制限が市場のセンチメントに影響を与えており、株・債券・為替・商品それぞれが複数の構造変化を反映している。
株式の反発は、企業決算の堅調さや通商緊張の緩和期待に支えられており、原油・インフレ・利回り・為替の連鎖がリスクオンの動きを促した。だがその裏には「インフレ再加速」という懸念も併存し、債券や金利市場では警戒感が根強い。商品・為替の動きも、地政学リスクや政策観測の変化と絡んでおり、単純なリスクオンとは一線を画す状況となっている。
株
株式市場では、ハイテク株を中心に一段の買い戻しが入り、S&P500種株価指数が0.58%上昇という反発を示した。 特に、米中首脳会談の実現期待が市場心理を前向きにし、押し目を狙った買いが継続している。
ただし、相場の強さには慎重な声もある。市場関係者からは「バリュエーションが最大の論拠になっている」との指摘が出ており、押し目買いが続く中でも割高な評価水準に対する警戒は払われていない。 また、モメンタム取引の巻き戻しが再び意識されており、上昇余地が限定的との見方も根強い。
債券
債券市場では、原油価格の上昇を受けてインフレ懸念が強まり、長期・中期債ともに利回りが上昇(債券価格下落)の動きがみられた。 10年債利回りが4%付近に迫るなど、節目を意識する水準に着実に近づいている。
この背景には、年内のFederal Reserve(FRB)による利下げ観測が後退してきている事情がある。インフレと成長の複雑なジレンマが、債券市場でのポジション構築を難しくしている。
外為
為替市場ではドルが底堅く、円は対ドルで152円台半ばまで下落(=円安)した。 原油高・インフレ懸念・日銀利上げ期待後退という複数の要因が絡み合って、円売りの動きが加速している。
また、資源国通貨である豪ドルやノルウェークローネが買われる動きも確認されており、原油高を背景にした資源セクター復調の観測が為替にも波及している。
原油
原油価格は、米国によるロシア石油企業への制裁発表を受けて急騰、先物で5%超の上昇となった。 供給面の緊張が改めて意識され、世界的に原油市場のリスクオフからリスクオンへの転換が進んでいる。
そのため油高を受けたインフレ懸念が金融市場全体を牽引しており、株式・債券・為替というクロスアセット的な動きの中で原油が非常に重要なトリガーとなっていることが際立つ。
金
金(ゴールド)は、短期的にはインフレヘッジとして期待されるものの、今回の相場では金利上昇・ドル堅調という環境が金価格を抑えており、明確な上昇トレンドには至っていない。
また、株式市場の反発が進む中で「リスク資産回帰」の流れが強まっており、安全資産としての金の存在感が相対的にやや薄れている。投資家がリスクを取る意欲を再開していることが背景にある。

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