マーケット1分ニュース(2025-10-16)
総括
15日の米国市場は、決算好調期待と米中摩擦の行方を巡る思惑との狭間で揺れ動く展開になった。S&P500は反発したものの、米中対立懸念や政策不透明感が波を打つ変動要因となった。一方、今朝配信の経済ニュース群では、中国のレアアース輸出規制や米銀決算、ETF資金流入の拡大などが市場心理を刺激しており、これらの材料が株債外為市場にも影響を及ぼしている。
株
S&P500は朝方に下振れする場面もあったが、堅調な決算を背景に持ち直し反発に転じた。特にモルガン・スタンレーやBofAといった金融株が買われ、半導体関連もAI需要期待から支援された。市場参加者の多くは、ここまで続いた強気ムードの調整は「健全な整理」と捉えつつ、企業業績とマクロ指標の相反する信号に注目している。
経済ニュース配信では、モルガン・スタンレーのトレーディング収益が前年同期比35%増と、ETF流入の加速も示され、資金の受け皿需要が株式への追い風となっている。
債券
米国債市場では利食い売りの圧力が強まり、長期債利回りは上昇気味の動きが目立った。リスク志向と安全資産回帰のせめぎ合いの中で、決算期待が支えとなるも、不確実性が買い控えを招く局面もあった。政策期待やインフレ見通しの揺らぎを見極めようという構えが強く、債券市場は慎重ムードで推移した。
外為
ドル/円は151円台後半から153円近辺まで変動し、円売り基調が継続した。米中貿易懸念の後退期待やリスク選好の回帰がドル買いを支えた。一方で、日本側からは過度な円安を抑制するための「口先介入」観測も浮上し、一定の戻りも試みられた。ただ、為替取引参加者はキャリー取引復活の動きにも敏感で、レバレッジを伴ったポジション構築が目立ち始めている。
原油
原油相場は概ね方向感を欠いた動きにとどまり、需給懸念と世界経済の減速リスクの狭間で揉み合った。OPECプラスの増産方針観測や地政学リスク変動の影響を受けつつ、需給均衡に関わる需給指標発表や在庫動向に市場の関心が集まった。
金
安全資産志向が強まる局面では金価格が上昇傾向をたどった。株式リスク調整局面では金に資金が流入し、投資家のヘッジ需要に応える動きが目立った。一方でドル高圧力との綱引きもあり、上値追いには慎重な姿勢も見られる。
出典(参照記事):
【米国市況】S&P反発、米中摩擦で荒い動きも決算好感(Bloomberg Japan)
【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース(Bloomberg Japan)
コメント