マーケット1分ニュース(2025-10-10)
総括
円相場は引き続きドルに対し売られる流れが続いているが、一時的に買い戻しの動きも見られ、政策や市場心理を巡るせめぎ合いが鮮明となった。米国市場は、株式の過熱への警戒が浮上しつつも、利下げ観測と金融政策期待を背景に動揺をはらみながら推移している。まさに主要アセット間の連関とリスク許容度変化が焦点となる展開だ。
株
米国株は、過熱感への警戒が意識されて反落の動きが出ている。S&P500種指数は前日比で調整色を強め、以前の上昇モメンタムが一服する気配を帯びてきている。投資家は利下げ期待の剥落と需給のひずみを意識し、ハイテク株など成長株の伸びを慎重に見極めようとする動きが出ている。
また、今朝のニュースでは、株式市場に影響を及ぼしうる企業破綻リスクや海外での動きも取り上げられており、これらがセンチメント面でさらなる売買を誘発する可能性がある。
債券
国債利回りは利下げ期待を背景に軟化する傾向にあり、債券側には買い圧力が入っている。特に10年債、2年債など短中期債利回りの低下が目立ち、利回り曲線のフラット化や逆イールドの可能性も意識され始めている。金融政策の不透明さ、景気動向の揺らぎというマクロ要因が債券市場の牽引力を左右する構図となっている。
外為
為替市場ではドル/円は6営業日続落したものの、一時高市総裁の発言を契機に円買い反転の動きも観測された。だがその勢いは長続きせず、再び153円台前半へ押し戻されている(円売りトレンドが持続している)。市場では高市氏の発言を「口先介入」の一環と見る見方も強まり、政府・日銀のスタンスと今後の介入可能性が意識され始めている。通貨オプション市場では為替変動の先行きを見極める思惑が高まり、リスクリバーサルなどの指標で円リスクに対するプレミアムの変化が注目されている。
原油
原油価格は需給観測と地政学リスクの均衡の中で上下動している。ただ、OPECプラスが11月にも増産する見通しという報道があり、供給圧力を警戒する声がある。投資家はその動きを慎重に見ながら、世界景気の減速リスクやエネルギー需要動向をにらむ方向性を探っている。
金
金は、安全資産としての側面が意識され、上昇基調が継続している。利下げ期待、ドルの軟化、世界の不確実性などが支援要因となっている。特に米国債利回り低下と金利低下の組み合わせが金相場に追い風を与えており、投資家マインドがリスク回避志向に傾けば金買いが加速する可能性もある。
出典(参照記事)
【米国市況】円売り継続、高市氏「口先介入」も歯止め効かず(Bloomberg Japan)
【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース(Bloomberg Japan)
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