マーケット1分ニュース(2025-10-31)

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マーケット1分ニュース(2025-10-31)

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総括

米国の金融市場では、年内の利下げ観測が後退したことでドル買い・円売りが進行し、株式にはテクノロジー株を中心に一部調整の動きが出た。一方で、堅調なAI関連企業の決算や米中通商協議の進展観測が支えとなり、リスク資産には下支えも見られる。国債利回りの上昇とともに円安・ドル高が進んだことで、国際ポートフォリオのリスク・リターン構造に変化が生まれている。

米株式市場では、ハイテク大手の収益基盤の強さが改めて評価され、押し目買いの動きが続いている。例えば「マグニフィセント・セブン」の構成株が上昇し、指数の最高値更新も視野に入る展開となった。
ただし、Federal Reserve(FRB)が12月の利下げを「既定路線ではない」と明言したことで、利下げ観測の織り込み過剰としての警戒も浮上。
今後は、決算発表を控えたハイテク株の内容次第で相場に変化が出やすく、米中通商の安心感が揺らぐとリスクオフの巻き戻しも意識される。

債券

米国債市場では、2年債・10年債ともに利回りが上昇し、長短金利差の拡大とともに金融政策の先行き不透明感が示された。2年債利回りは10 bp超の上昇、10年債は4%超に達するなど、債券市場の反応がやや敏感になっている。
利下げ観測の後退が明確となったことで、債券利回りの上昇が株式・為替にも波及。債券からの資金流出がリスク資産に向かう動きが出る一方で、債券ポジションの調整によるボラティリティも高まっている。

外為

ドル/円は一時1ドル=154円台半ばまで進み、2月以来の円安水準に達した。
背景としては、ドル買い・円売りのキャリートレード再燃だけでなく、日米の金融政策スタンスの違いが鮮明化した点が挙げられる。日本銀行の据え置き姿勢を、片山財務相が「景気情勢を勘案した極めてリーズナブルな判断」と評価したことも、市場に円安を黙認する構えがあるとの思惑を与えた。
円安進行は、輸出企業には追い風となる一方で、輸入インフレや資金調達コスト上昇といった副次的な影響も警戒されている。

原油

原油市場では、地政学的リスクの高まりや供給制約への警戒感が買いを誘っている。一方で、本記事の主題である「米国市況」の中では、円安/ドル高の流れが原油価格をドル建てで押し上げる構図もある。
市場は、OPECプラスの生産増や中国の需要動向を背景に、供給過剰に対する警戒も併存しており価格の上値・下値の両面を視野に入れている。

金(ゴールド)は、ドル高・利回り上昇の環境下で下押し圧力に直面している。特にインフレ懸念が強まって債券利回りが上がる中、安全資産としての金の魅力が薄れ、「利回り付き資産との比較」で売られる展開となった。
また、リスク選好回帰の動きが出る中で金の避難資産的役割が一時低下しており、今後の変化には「どこまでドル高・利回り上昇が進むか」が鍵となる。

出典(参照記事)

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