マーケット１分ニュース（2025-10-30）
総括
米国市場では、株式がハイテク中心に最高値を更新する一方、債券利回りの上昇とドル高・円安が同時に進行しており、金融政策への思惑変化がマーケットを牽引している。金融緩和を巡る期待と、企業収益・通商面での追い風が交錯する中、投資家には“次の動き”に対する警戒感と期待感が同居している。さらに、テクノロジー関連の大型銘柄が市場全体を牽引し、貿易・地政学リスクの低下観測も追い風となった。
株
株式市場は主要指数が過去最高値を更新。特にハイテク銘柄に買いが集まり、人工知能（AI）関連の成長期待が改めて浮上している。 市場参加者は、現在の上昇モメンタムの背景に「利下げ期待の維持」と「収益成長期待の継続」があると見ており、決算発表を控える大手企業への注目度が高まっている。 ただし、株価が先行している面もあり、調整リスクを指摘する声も出ており、過熱感と押し目買いのバランスが鍵とされている。
債券
債券市場では、2年債・10年債ともに利回りが上昇し、価格が下落した。 この利回り上昇の背景には、ジェローム・パウエル議長が「12月追加利下げは既定路線ではない」と明言したことがあり、政策正常化を巡る慎重な姿勢が市場に新たな方向性を示した。 加えて、インフレ抑制の兆しや企業収益の底堅さを受け、投資家が「利下げまでの猶予期間」を見込む動きが強まっている。
外為
為替市場ではドルが対円で上昇し、1ドル＝153円台まで進んだ。 この動きは、米国の長期金利上昇と「円利上げ期待の後退」といった日本サイドの政策観測の変化が重なったためと解される。 また、リスク選好の高まりの中で円が売られ、資源国通貨が相対的に買われる動きも確認されており、クロス為替にも影響が出ている。
原油
原油価格は供給懸念を背景に上昇基調を維持しており、特にロシア産原油への制裁強化が需給の緩みを意識させた。 その結果、エネルギー株が買われ、インフレリスクを意識した動きも起きており、債券利回り上昇の一因ともなっている。 ただし、需要の先行きには慎重な見方もあり、「原油高＝インフレ加速」という連想が今後の焦点となる。
金
金価格は逃避需要が後退したことを受けて下落傾向が続いた。 高まるリスク選好と共に、円安・ドル高の流れが金の割高感を強めた形となっており、安全資産としての役割が相対的に後退している。今後、通商摩擦や景気後退の懸念が再燃すれば、金の反発余地が残ると市場では見られている。
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