マーケット1分ニュース(2025-10-21)

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マーケット1分ニュース(2025-10-21)

目次

総括

株式市場が好調な企業決算や米中摩擦緩和の期待感を背景に上昇を続ける一方、債券・為替・コモディティ市場では“供給過剰”や“利下げ期待”といった構造変化が浮き彫りになってきた。株高を支えるのは、企業収益改善と貿易リスクの後退というポジティブな材料で、債券・原油・金ではそれぞれ異なる方向性が見えている。
債券市場では長期金利の低下が進み、これは原油の供給過剰観測や為替の円安基調が影響。為替はドル売り・円売りが目立ち、逆に金は安全資産需要と利下げ期待から再び素材としての重みを帯びつつある。

米株式は、S&P 500が1.1%上昇と堅調。発表済みの構成企業の約85%が予想を上回る利益を計上し、決算モメンタムが明確に相場を押し上げている。
また、貿易を巡る対中交渉の進展期待も投資家心理を改善させ、“押し目買い”の動きが活発化している。背景には、過去の下げ局面を見た経験から「買っておこう」という動きが拡がっており、特にテクノロジー関連の回復が目立つ。
一方、バリュエーション面では「すでに上回っているのでは」という警戒も出始めており、今後は決算内容・成長持続性・政策動向に左右されやすい状況となっている。

債券

米10年債利回りは4%を割り込む水準まで低下し、債券価格は上昇基調となっている。
これは、原油価格の下落がインフレ圧力を和らげるとの観測や、国内外の金融政策の転換点が意識されたため。たとえば、日本銀行の高田創審議委員が「利上げの機が熟した」と発言したことが、世界の利下げ期待とともに金利低下を促している。
ただし、債券市場では「利下げがさらに進むか」「インフレが再燃するか」の二つのシナリオを見据えた警戒もあり、金利が「どこまで低くなるか」は明確ではない。

外為

為替市場では、ドル/円が150円台後半で推移し、円安基調が強まっている。:
通商リスクの後退、円を調達通貨とするキャリー取引の復活、日米の金融政策スタンスの差などが背景だ。また、ドル全体では売り優勢となる日もあり、為替市場は流動性改善と構造変化の局面に入っている。
円安が進むことは輸出企業にはプラスだが、インフレ加速・政策対応への警戒という側面も持つため、次の政策転換や実需動向に注目が集まる。

原油

原油価格は夏の高値から20%超の下落となり、供給過剰の観測が相場を抑えている。
特に、OPEC+非加盟産油国が増産姿勢を強めている点や、米中の需要頭打ち観測が「需給ひっ迫」バイアスを後退させている。先物の相対力指数(RSI)が“売られ過ぎ”水準に入ったとも報じられ、下げ止まりの可能性も意識されている。
ただし、原油価格が低位で推移し続ければ、エネルギー関連の設備投資鈍化・減産延期などにつながる可能性もあり、経済全体の回復力という観点では逆風となり得る。

金価格は反発基調で、オンスあたり4 300ドルを超えるなど過去最高水準に迫っている。
その背景には、米中摩擦を巡るリスク再燃、安全資産需要、そして金融緩和期待がある。利下げ局面では利息を生まない金が相対的に魅力を増すという構図だ。
加えて、ETFや中央銀行の買い入れ観測が市場心理を支えており、「金を持っておこう」というポジションの積み増しが進んでいる。とはいえ、金利動向・ドル動向・インフレ見通しが変われば調整リスクもあり、今後もボラティリティが高い可能性がある。

出典(参照記事)

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